獣は禁断の果実を蝕むのか。

激しく重なる唇。


絡んでくる専務の熱い舌の感覚に、体だけじゃない。


記憶まで一瞬で溶けてしまいそうになる。


「……最後まで、付き合ってもらいますよ。」


熱く上がった呼吸で耳元に囁かれた。


答える間もない。


ここでも、専務の期待には答えられなくて。


あっという間に、記憶は飛んで行ってしまった。


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