獣は禁断の果実を蝕むのか。

「覚悟はできていたのでしょ?これがオレの愛し方です。」


愛し方って…


急上昇する甘い鼓動に、必死にブレーキをかけようと抑え込む。


…入り込んじゃダメ。


あと1ヶ月。


私は夢を見るだけなんだから。


呪文のように。


何度も何度も言いきかせて。


ゆっくりと甘い鼓動を落ち着かせる。


「……分かりました。」


顔をうつむけながら。


ほんの少し、口をとがらせた。


嫌なんじゃない。


本当は、舞い上がりそうなくらい嬉しいけど。
< 285 / 387 >

この作品をシェア

pagetop