獣は禁断の果実を蝕むのか。
「覚悟はできていたのでしょ?これがオレの愛し方です。」
愛し方って…
急上昇する甘い鼓動に、必死にブレーキをかけようと抑え込む。
…入り込んじゃダメ。
あと1ヶ月。
私は夢を見るだけなんだから。
呪文のように。
何度も何度も言いきかせて。
ゆっくりと甘い鼓動を落ち着かせる。
「……分かりました。」
顔をうつむけながら。
ほんの少し、口をとがらせた。
嫌なんじゃない。
本当は、舞い上がりそうなくらい嬉しいけど。