獣は禁断の果実を蝕むのか。

「そうです!!」


ハッキリと答えた。


カチャッ…


鍵の開く音がして。


ゆっくりと開いた扉。


そこにいたのは、目を真っ赤に腫らせた皆瀬さんの姿。


パチッと目があった瞬間。


「うわわわっわわっわわわわ…」


大きな声で泣き崩れた。


「どうしたんですか!?」


慌てて抱き起すと、部屋の中のソファに座らせた。


「……の。」


涙で声になっていない。

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