獣は禁断の果実を蝕むのか。

見上げた九重部長の目は、獲物を捕らえたような獣。


「いい加減、焦らされるのも飽るだろ。」


その言葉。


バタンッ



と、音がして、九重部長の顔の向こうには。


真っ白な天井が見える。


倒されたテーブルの上。


背中がズキンと痛む。


その瞬間。


ハッキリと『ダマされた!!』って、頭の中に浮かんだ。


「約束が違います!!」


何もしないって言ったじゃん?


やっぱり、九重部長はこういう人だ。


「約束ねぇ…」


とぼけたように言葉を返すと、九重部長の手はスカートを太ももまでまくり上げ、熱くなった掌でゆっくりとむき出しになった太ももにはわせた。
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