獣は禁断の果実を蝕むのか。

「抵抗されんのも、服従させるみたいで楽しいぜ。」


そう言いながら、音をたてないように収納庫に這うように近づいてく。


私の顔を見ながら、何か言えとジャスチャーで指示をする。


「え…あ…あの…」


戸惑う言葉しか出てこない。


「やっぱり、梓悸よりオレの方がいいだろう?」

「え…えっと……」


こんなのでいいのかな?


不安になったけど。


九重部長が収納庫の前にスッと立つと、バタンッと勢いよく扉を開けた。


「やっぱり…お前だったか。」


収納庫の奥に手を突っ込むと、誰かの腕を引きづり出した。


その引きづり出された人の顔を見て、目を丸くした。

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