獣は禁断の果実を蝕むのか。

「じゃあ、あかりさんは、真っ赤なウソの噂で専務に婚約破棄されたんですか!?」


専務が言っていたあかりさんが『心をよせる人』なんかいなかったってこと?


「当たり前だろう?だから、最初はあかりにヤラレタと思ったんだよ。それでさっき、秘書室のお前の机の上に第4会議室で会おうってメモ残してきたんだよ。」


そういうことか!!


そのメモを犯人が見たら、それは潜んでいるよね?


「じゃあ、今もあかりさんは…」


専務を思っているってこと?


「だけど、肝心の梓悸は沙菜ちゃんに夢中だから安心しろ。」


悔しそうな笑顔を向けられたけど。


その言葉で覚悟は決まった。


全てを打ち明けて。


あかりさんと戻ってもらって。


私は…

< 347 / 387 >

この作品をシェア

pagetop