獣は禁断の果実を蝕むのか。

そして、約束の7時にお店に着くと、皆瀬さんが先に待っていた。


案内された個室。


向かい合ってテーブルに座ると


「お久しぶり。」


ニッコリと皆瀬さんが笑った。


皆瀬さんは、全く変わっていなくて。


やっぱり、美人な仕事出来るって感じの雰囲気を持っていて。


何も変わっていなかった。


「お元気そうで何よりです。」


私もニッコリと笑った。


「小松は、相変わらずどんくさそうね。」


クスッと笑った。


せっかく、オシャレしてきたのに。


どんくささは抜けなかったか。


「そうですね。でも、あの頃よりは…しっかりとした気がします。」


ジッと、皆瀬さんの目を見た。

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