獣は禁断の果実を蝕むのか。
「あなた、どうやって横領したの?やることは同じでしょ?」
確かに。
説明はいらない。
「でも、パソコンのパスワードとか…」
言いかけた時
「開発部長の一番上の机の中に、パスワード一覧があるから。鍵は秘書室の鍵棚の中…まあ、部長と一夜でも共にして、聞き出してもいいんじゃない?」
ニコッと笑ったその笑顔。
悪意を感じるのは自意識過剰?
「それは…鍵棚ですね。」
「緊急時の時の為に、秘書室と総務に鍵は全て合鍵が用意してあるから。」
「分かりました。」
「横領と要領は同じだから。安心して。」
なんて明るく笑いながら肩をポンと叩かれても。