獣は禁断の果実を蝕むのか。


「ひゃああああああ!!!!」


悲鳴を上げながら、勢いよく後ずさりしながら声の主に振り返った。


一瞬、祐爾を思わせるような。


でも違う。


着崩したスーツの上からでも、脱いだら凄そうって想像をかき立てるようなほどよい筋肉のキレイな体のライン。


この会社とは無縁そうな男が、眉をゆがめながら、ジッと私の顔を見ている。


「見ない顔だな。」

「あなたこそ。こんな所で何をしているんですか!?」


不法侵入?


でも、セキュリティ厳しいんだよね?


じゃあ、私と同業者?


色々な妄想が膨らむ。
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