獣は禁断の果実を蝕むのか。


毎日、潜り込もうとはしたけど。


深夜まで電気は消えないから、潜入は出来なかった。


「すみません。九重部長は?」


開発課って言っても、ここは事務職みたいなものらしい。


パソコンに事務処理のデータを打ち込んだりしてるだけ。


だから、普通のフロアと何も変わらない。


たまたま、近くにいた女の人に声をかけた。


九重部長は、数日前にあんな状態で会ったきり。


会いたくないくらい恥ずかしいことをしちゃったけど。


今は恥ずかしいとか考えている余裕はない。
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