獣は禁断の果実を蝕むのか。

「使い古しでよければどうぞ。」


冷たく響く声。


思わず振り返ると、眉間をゆがめながら腕を組んで、氷のように冷たい視線を向けている専務の姿があった。


「使い古したもないだろう?まだ、何もできてないくせに。」


フッと鼻で笑った。


「しましたよ。」


口元を緩めながら、平然とウソを言い放つ。


「せ…専務!?」


慌てて訂正したいのに


「必要でしたら、詳しい内容を説明しますけど?」

「聞かせてもらおうじゃねえか?」


九重部長はムキになっているけど。


詳しい内容ってなに?

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