獣は禁断の果実を蝕むのか。
12時11分。
「ご飯は諦めるしかない。」
自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
お腹がすくと、さらに頭の回転が鈍っているみたいで。
少し、ボーっとしてしまう。
ブルルルルル…
机の上に出していた携帯が鳴った。
時間が分かるように、アラームをセットしたから。
もう、タイムリミット?
青ざめた顔で携帯のディスプレイを見た。
『藤衛専務』
そっか…
会社から支給された携帯だから、専務からも電話が来るんだった。