獣は禁断の果実を蝕むのか。


メガネのその奥の目が、今日は完全に凍りついている。


専務の前に立つと


「すみませんでした。」


深く頭を下げたと一緒に、ギュルルルルとお腹が鳴って。


深く下げた頭には、血が上っちゃったみたいで。


クラッと足元が揺れたのが分かった。


あっと思った時には、真っ暗な世界しか見えなくて。


その後、どうなったかなんて分からない。

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