結婚できるの?
陽太を好きな気持ちはあったけれど、それ以上に当時の亜里沙は自分のことで切羽詰まっていた。

その頃、千香をはじめとして周りの誰もが亜里沙に言った言葉は……


「夢を持ち続けるのは否定しないけど、現実を考えたら厳しいよね……」


それが亜里沙に対するアドバイスと評価だった。

亜里沙も頭では納得していたが、心の底では自分の無力さが悲しくて悔しくて……。

陽太に相談したいと思った大きな理由は、同じ年齢で定職に就いていない、という共通点があったから。

将来の安定を最優先している人たちと違って、陽太ならどんなことを言うのか知りたかったのだ。

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