結婚できるの?
智和は頭を掻きながら、照れ臭そうな笑顔になった。

その顔を見た千香の心に、じんわりと温かいものが流れ込む。

この人も悩んでるんだ……。

この人の力になりたい……。

何とも言えない不思議な感覚だった。

自分自身がドン底で、他人の力になる余裕などない筈なのに。

それでも千香は智和の力になりたいと思ったのだ。


「私で良ければ、いつでも聞きますから」

「ありがとう! なんか立場が逆になっちゃったね。千香さんの相談に乗るつもりが、僕の相談になっちゃってごめん。でも、ありがとう」
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