結婚できるの?
「そろそろ帰ります。もう10時過ぎだし」


会話が一段落し、料理も食べ終わったタイミングを見計らって、千香は告げた。


「分かった。また何かあったら、いつでも連絡して」

「はい。ありがとうございます」


智和が会計を済ませ、二人は立ち上がる。

店を出た所で千香は財布を取り出して払おうとしたが、智和は笑顔で制した。


「そんな気遣いは無用だから」

「でも私の方が誘ったのに……」

「いいから、気にしないで」
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