結婚できるの?
陽太は心配と恐縮が混じった顔で、亜里沙を見つめる。


「それは知らないと思う。たぶん」


ウエイトレスがコーヒーを運んで来て、亜里沙の前に置いた。

亜里沙はコーヒーにミルクと砂糖を多めに入れ、スプーンでかき混ぜる。


「そっか。俺は千香がバラしたのかと思ったけど、違うんだね?」

「智和さんにバラしてはないけど、私はジワジワ追い詰められてるわ。智和さんとは別れるしかないと思う」


陽太は困った顔で黙り込み、冷めたコーヒーに視線を落とす。


「そんな顔しないで。私は陽太が好きだから、智和さんとは別れる運命だったのよ。陽太とは付き合えなくても、智和さんとは別れるわ」

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