結婚できるの?
千香は何も言い返せなかった。

亜里沙は亜里沙で必死に這い上がろうとしている。

そして這い上がるための仕事や夢を見つけている。


「千香は陽太と結婚する可能性だってあるんでしょ? 私は当分、誰とも結婚どころか、恋とも無縁だから」

「私だって……結婚なんて、すぐには無理よ。陽太とも別れたし」

「でも陽太は千香を好きだから。千香の気持ち次第で、やり直せるでしょ?」

「そんな簡単に言わないでよ……」


千香はいろいろな思いが交錯して、泣きたい気持ちだった。

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