結婚できるの?
陽太からの返信が来たのは、翌日の夜だった。

入浴を終えた千香が、自室に入って携帯を見ると、メールを受信していた。


――こんばんは。
ライブを観たい、と言ってくれてありがとう。
その気持ちは嬉しいよ。
気持ちは凄く嬉しいんだけど、ごめんなさい。
ちょっと事情があって、ライブには誘えないんだ。
せっかく言ってくれたのに、本当にごめん!



千香は携帯を握り締めたまま、呆然としていた。

なぜ? なぜ誘えないの……?

頭に巻いていたタオルが床に落ち、濡れたままの冷たい髪がはらりと肩にかかった。
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