結婚できるの?
数分後、千香は亜里沙の部屋のドアを、コンコンと小さくノックした。

鬱々と悩んでいるより、行動した方がいい、しなきゃいけない、と思ったから。

この時間なら、まだ亜里沙は起きているだろう。

ライブのことを、亜里沙に直接聞いてみるつもりだった。


「はい」


中から亜里沙の声がして、部屋のドアが開かれた。


「ごめんね、夜遅く。ちょっとだけ話していい?」

「いいよ。どうしたの? キッチンで話そう」


亜里沙が部屋から出て来て、私たちはキッチンテーブルの椅子に向き合って座った。
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