結婚できるの?
「わかった。じゃあ、お昼過ぎに行くよ。あとで新居の住所をメールして」

「はい。でも本当に無理しないで下さいね。他の予定が入ったら、こっちはキャンセルしていいですから」

「大丈夫。それより今日、気をつけて帰って」


駅の改札付近まで来て、二人は立ち止まる。


「電車はちゃんと動いてるみたいだね」


智和が前方の電光掲示板を見ながら言った。


「そうですね……。じゃあ、また」

「うん、また」


千香にも智和にも名残惜しい気持ちはあったけれど、二人は改札を抜けると別々のホームに向かって歩き出した。
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