結婚できるの?
「千香の言う通りだね。じゃあ俺は仕事に戻らなきゃ」


陽太は千香に向かって告げると、今度こそ立ち去った。

なるべく亜里沙とは視線を合わさないようにして……。

陽太がいなくなると、亜里沙は店内をキョロキョロ見ながら小声で言う。


「バイトの子、いるのかなぁ?」


千香はメニューに視線を落としながら、時折りチラッと店内を観察した。

日曜日だけど2時を過ぎた今は、それほど混んでいない。

ランチや夕食時なら満席になるのだろうが、埋まっている席は半分ほどだ。

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