結婚できるの?
「……それなら良かったです」

「ほんと? 僕、失礼なこと言ってない?」

「全然。聞かせてもらってホッとしてます」

「そう言ってもらえると、僕もホッとした」

「あ、でも……ちゃんと言って欲しいかも」

「何を言えばいいのかな?」


智和が真っ直ぐな視線を向けて訊き、千香ははにかんで俯いた。


「いっそ付き合ってみる?……じゃ、ちょっと淋しかったから」


千香は下を向いたまま、ぽそっと本音を吐いた。
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