結婚できるの?
智和は背筋をピンと伸ばして告白した。

その態度には中学生のような初々しささえあった。


「……はい。よろしくお願いします」


千香も背筋をしゃんと伸ばして応えた。


「良かった。断られたらどうしようかと内心ヒヤヒヤしてたから」

「ほんとですか? ヤケクソの告白じゃなくて?」

「そんなわけないよ。さっ、乾杯しよう。乾杯、乾杯!」


智和は真剣な告白が恥ずかしくなって、話をそらすように夢中でワインを開けた。

新しい二つのグラスに、淡いピンクのロゼワインが注がれる。
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