結婚できるの?
亜里沙も毅に内緒話の小さな声で返す。


「こういうお店の方が落ち着きますよ。それで美味しいなら最高です」


亜里沙の言葉は、毅に対する気遣いだった。

庶民的な焼き鳥屋も悪くはないが、智和と行ったお洒落なレストランやバーも亜里沙は好きだ。

サラリーマンたちのストレス発散で騒がしい中、毅と亜里沙はビールで乾杯する。


「お疲れ様。今日は付き合ってくれて、ありがとう」

「お疲れ様です。先輩と二人で飲むのは初めてだから、緊張しますね」

「そう? 年は一つしか違わないんだから気楽にしてよ」
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