結婚できるの?
亜里沙のバッグが膝の上で揺れた。

マナーモードにしていた携帯が、バッグの中でメールを受信したのだ。

まだ呆然としていた亜里沙が携帯を出して開くと、メールの送信者は毅。

亜里沙は緊張しながら、メールに視線を落とす。


――今日はありがとう!
朝まで一緒に飲めて、いろんな話もできて楽しかったよ!
ゆっくり休んでね。
おやすみ(朝だけどね)!


キスについては一言もふれていなかった。

キスとか恋愛の気配など全く感じさせない、陽気な文面。

亜里沙はさっきのキスを、寝ぼけた自分の錯覚だと思うことにした。
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