結婚できるの?
亜里沙と陽太は、二時間ほどカフェで話して別れた。

陽太は夕食にも誘うつもりで来たのだが、誘える雰囲気ではないと察し、言い出せなかった。

陽太は自分が情けなかった。

目標に向かって頑張っている亜里沙を、眩しくも感じた。


一方、亜里沙の気持ちも複雑だった。

陽太ともっと一緒にいたい……。

陽太のそばにいたい……。

その想いは残っていたものの、言葉には出来なかった。

口に出してしまったら、せっかく前を向いて進み始めた自分が、過去に逆戻りしそうだったから。
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