結婚できるの?
「だって本当におめでたいことだもん。私も嬉しいよ」

「でも何かごめんね。亜里沙の仕事の話を聞くつもりだったのに……。全然違う話題になっちゃって」

「いいの、いいの!」


亜里沙は明るい声を出したが、それは強がりだった。

千香に相談した仕事の悩みは、全く解決していない。

それどころか、亜里沙の心はもっと深く落ち込んでいた。

自分だけが、幸せから取り残されていく感覚。

自分の選択は、間違っていたのだろうか……。

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