結婚できるの?
「仕事はどう?」


出されたばかりの焼鳥を食べながら、毅が訊ねた。


「どうって言われても……。何も変わらないです」


淡々と答える亜里沙。


「亜里沙ちゃんは偉いよ。あんなことがあっても、ちゃんとマシンの担当で頑張ってて」

「別に頑張ってませんよ。今まで通り続けてるだけです。他に取り得もないし、働かなきゃ食べていけないですから」


半ば投げやりな言い方だが、亜里沙の本心だ。

亜里沙は毅の前で、ありのままの気持ちを吐き出していた。
< 676 / 744 >

この作品をシェア

pagetop