結婚できるの？

「それ……マジで言ってるの？」


陽太は目を丸く見開き、きょとんとしている。


「もちろん真面目よ！　だって、いつも陽太は言ってくれてたでしょ。俺と一緒になってくれる？って」

「それは……まぁ、そうだけど……」


陽太の言葉は歯切れが悪い。

一体どうしたのか。


「あのさ、千香。その話は今度ゆっくりしよう。今日はステーキを食べてよ。せっかく奮発したんだから」


陽太は言い終わると、再びステーキを頬張り始める。


「うまい！　ほら、千香も食べて食べて！」