結婚できるの?
「ごめん。嘘じゃなくて本気でそう思うんだ」

「どうして? 陽太の気持ちが全然わからないよ……」

「前から考えてたんだけど……やっぱり亜里沙には智和さんがいるし、俺にも千香がいるっていうか……」

「前から考えてた、って一体いつからなの?」

「いつからとか、細かいことは自分でも分からないけど」


陽太は亜里沙と目を合わせられず、うな垂れている。


「千香よりも……私を好きになったんじゃないの?」


そこまで追及するつもりはなかったのに、亜里沙は訊かずにいられなかった。
< 97 / 744 >

この作品をシェア

pagetop