史上最悪!?な常務と
「だから、もう社に戻っていいから」
「あ、はいっ、」
常務の言葉でやっと我にかえる。
あれ?
いつの間にか社長の姿もなく。
「あの、
お役に立てず、すみませんでした…」
謝ったものの、
イヤミのひとつでも言われるのだろうか、
そう思ったけれど。
彼は何を言うこともなく、
くるりと背を向けた。
最後まで表情は固いまま。
そんな後ろ姿にアタシは頭を下げる。
少しして顔を上げ、
さっきより遠くなった彼の後姿をぼんやりと見つめながら思った。
…ああ、そうだ。
社長に聞かれた時。
あれって。
結局はアタシのこと、
助けたくれたんだ、
よね…。