史上最悪!?な常務と
「そうなんですか…」
「ええ、せっかく生まれてきて、
でも…」
親に先立たれるのもとても哀しいのに。
まして子どもに先立たてるなんて…。
取り残された親の思いは…。
うつむきハンカチで目頭を押さえる彼女を見つめながら思った。
なんか、
涙がこぼれそうになる。
そして彼女はひとつ息をついて顔を上げた。
「そんなときにね、島津さんに出会ったの。
そして施設に連れて行ってもらって不幸を汲み取る壺を…」
「壺?」
「おかしいでしょ?
でもね切羽詰まるともう…、
なんでもいいから、
…すがりたいって思いだったの」
そして彼女は再びハンカチで目頭を押さえた。