史上最悪!?な常務と
いや、その切羽詰まるってところまではわかるけど。
そんな壺って?
なんで壺?
「……」
それまで隣でおとなしく本を読んでいた男の子は
小さな手で彼女の肩をそっとたたく。
そんなふたりを見てると本当のことなんだろうけど。
黙りこんでいると島津さんがゆっくりと話し始めた。
「彼女の言ってる壺の話は本当よ?」
「え?」
「実際、こうして彼も元気に今を生きてるし。
でもね…先生様の念が入ったものだから、
3年に1度くらいしか紹介できなくて」
「そう、だからね、
選ばれた人しか手に入れることができないのよ」
それまでおとなしく話を聴いていた別の女性がカップをテーブルに置いて笑顔で話す。
「ただ、問題は…高額になるの」
「壺が…ですか?」
「ええ、でもね、
そのおかげで彼女の子どもは…ほら…
見てわかるでしょう?」