史上最悪!?な常務と
「…祖父がまだ生きていてくれたら、
父親ではなく祖父と仕事がしたかったな」
椅子の背もたれに大きくもたれながら、
ため息まじりに出た言葉。
「そんなこと言ってはいけません。
今の社長は常務の父親です。
社長に失礼です」
塩屋が少し怒ったようにも感じたが
「……本当は塩屋も祖父と仕事を続けたかったんじゃないのか?
あんな人の心をもたないような父親と仕事するのも嫌だろう?」
この言葉に彼は寂しそうに笑っただけだった。
そしてゆっくりと口を開き続けた。
「あの…、こんなこと申し出るのは立場上、
違うとわかっているのですが…」