史上最悪!?な常務と


「やさしいんですね?」

「え?」

「カナタさん…」

「ああ、…そうですか?」


そう、そんな風に見られているんだ、
本当は違うのに。


こんなに矛盾しているのに、
どうして俺はここから出ようとしないのか。

それはきっと出てしまうことでせっかく祖父がここまで大きくして、
残してくれたものをつまらない自分の感情ひとつで壊してしまうかもしれないから。


壊さないためには父親のいいなりに…、

今は言いなりになるしかないのだろう。

まだ無力すぎるから。


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