史上最悪!?な常務と

「…あ」

「どうされました?」

ホテル近くに差し掛かった時、
彼女が小さな声をあげた。


「母が見えましたの」

「ああ、じゃあ、急ぎましょう」

「構わないので、ここで止めてくれませんか?
ここから歩いて母を追いかけます」

「…そうですか…?」


俺の返事に彼女はにっこり笑い……、

…もしかしたらこのとき運転していて初めて彼女の方を向いたかもしれない。







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