史上最悪!?な常務と

「…どうしたの?
違った?」

小さな彼女の声にハッとする。


「ああ、そうだよ、うん
今も仕事で車に乗ってたんだよ」


「カッコイイね!
……アタシのね、お父さんもお仕事で車乗ることあったんだよ。
それでうちにも車あったけど小さかったからみんな乗れなくてギュウギュウしてたの」

思い出すように小さく笑う。

そしてさびそうにうつむく。


「……」

ああ、そうだった。

彼女には両親が…。


「悪かったね、
悲しいこと思い出させかな…?」


それでも少しの間うつむいていた彼女だったけど
顔をあげて唐突に言ってきた。


「自分を守るための嘘があるってさっき言ったよね?」


「……?」


「だから、あのね、お願いがあるの」




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