史上最悪!?な常務と
「最近さあ、
社長が常務にいろいろ言ってるみたいなのよねえ。
何か知ってる?」
相変わらずのケバさの向島さんが聞いてきた。
「割りと放任主義っていうか、
性格あわないみたいなのか一緒にいるところって
仕事以外ではほとんどなかったのにね」
背後からにゅうっと長い髪を揺らして墨染さんの姿が現れた。
「……仕事しないと……」
常務のことと言われて気にならないと言えば嘘になるけど、
このふたりに巻き込まれたくないっていうのも、ある。
「あらー?
桃山さんは気にならないの?」
「桃山さん、常務のこと、好きなんでしょ?」
はっ???
好…好きっ…って?
「ちょ、それってどういう…」
アタシは冷静に…、
いや、冷静になんてなれてないのかもしれないけど。