史上最悪!?な常務と
しまった!
「あっ、いえ、なんでもないです!
ちょっとぼんやりしてました」
アタシは慌てて両手を振ってごまかす。
「えっと、早く、仕事しましょう?
ほら、いっぱいやらないといけないことありますし?」
ヤバ。
さっきのあの言い方、
絶対変に思ったよね。
アタシが常務のこと、
想ってるってバレたんじゃ…。
今、常務はここにいないのに話をややこしくしたら…。
アタシは自分の席について気持ちをなんとか落ち着かせようと、
パソコンのマウスを意味なくカチカチと鳴らす。
「…桃山さん…?
まさか常務のこと、本気とか?」
ぎく。
無視、無視。
「ふーん、
常務もなんだかんだ言って桃山さんのこと構ってるし…」
向島さんと墨染さんの言葉で背中を嫌な汗を流れ始める。
アタシはただ、だんまりを決め込むしか。
そのとき、
秘書室のドアをノックする音が聞こえ、
塩屋室長が入ってきた。