史上最悪!?な常務と


「で?なにー?
なにかー用事?」


「うん、あのね、
今日、小切手?
金額の書いてある証書みたいなやつ、
もらったの」


「え?小切手?」


アタシはガスの火を止めてエプロンで手を拭き、
彼女がカバンからひらひらと取り出した小切手を受け取る。


「だいたいなんで小切手なんか…」


「今日ね、一緒に見学に行ったダンススクールから電話あって
学校の帰りでいいから寄ってくれないかって。
奨学金用の小切手を受け取ったから渡したいって」


レナはアタシの横に並び、
一緒に小切手を覗き込む。


「よくわかんないんだけど、
小切手を受け取ってそれから学費を振り込んでくれって」


なんで学校からのスカウトなのに、
わざわざ小切手にして学費をレナに渡すんだろう?


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