史上最悪!?な常務と
「ああ、わかった、
それはわかったよ。
だからなに?
レナはそれが気に入らないわけ?」
「違うの、
ケン兄ちゃんとサキには黙ってたけど
アタシお姉ちゃんにダンススクールに通いたいって相談したことがあって」
ケンは腕を組んでじっとレナの話を聞く。
「学費が大変で…、
でもなんとかするってお姉ちゃんが。
そしたらしばらくしてアタシ、
ダンススクールの人に声かけてもらったの」
「スカウトってわけ?」
「あ、あの…、料理が冷めるから。
ね?先に食べよう?」
アタシはどうにか話を止めたくて、
席についてお箸を持つ。
なのに、
ふたりはアタシの話を聞こうともしない。
「でもね、今日、
なぜか学費って言ってダンススクールから小切手もらったの」
「それは、変じゃないか?」
ケンもそこで引っかかったようでレナに尋ねる。
「お願いだから、
ご飯食べよう?
サキも食べよっか?」
「うん、アタシ難しい話はわからないから食べる。
ケンお兄ちゃんも、レナお姉ちゃんも食べよ?」
サキがせっかく言ってくれたのにふたりは話をやめようとしない。