史上最悪!?な常務と
「だって、
比べる次元が…」
そこまで言ってアタシは口を止めた。
それでも彼女は全く悪いとは思っていないようだった。
彼女の笑顔を見ているとなんだかどんどん悪者で嫌な人間になっていくみたい。
「それにカナタさんは大切な時期。
うちと提携組んで会社は大きな転換期を迎えるわ」
ああ、そうだ。
…元々は常務には将来、
決まったひとがいた。
彼女は会社にも影響を与えるほどの存在。
そして
今アタシの目の前で婚約者として存在している。
大切な時期だと、
社長も同じこと言ってた…。
これって
やっぱり悪いのは…?
事態をかき回してるのは…?
そう、アタシがなにもないことにしてしまえば、
事は簡単に片付くのだ。
ああ、そっか。
そうなんだ。