史上最悪!?な常務と
あの帰りが遅かった日、
返したとは言ってたけど、
如月さんに返したとは一言もなかった。
「申し訳ありません…」
「家に招き入れて事情聞いたらいきなり小切手出してきた」
「えっと、あの、別にその、レナに悪気があるとか、
…そういうんじゃなくて…」
あー、もう、気の利いた言葉が出てこない。
「お姉ちゃんは如月エミに黙って返すだろうから。
そうなると俺が事態を知らないままになってしまうからわざとこっちに持ってきたらしい。
怒られたよ、婚約者がいるくせに姉に手を出すとかサイテーだって」
うわ、レナったらなんてこと…。
何とんでもないこと言ってくれてんのよ。
めまい起こしてぶっ倒れそうだわ。
もう終わりだ。
無理に笑おうとしても笑顔がひきつる。
アタシは自分の席に置いているカバンに入ってる辞表を思い出した。
今にでもすぐ突き出したい気分。