史上最悪!?な常務と
『アタシだったら好きなひとができたら意地でも絶対離れない』
ふとレナがあの夜、
言った言葉を思い出す。
それは理想、
そうだったらいいのにという夢。
でも現実を生きてくには毒な考え。
それでも強引に彼がアタシをここから連れだしてくれたなら…。
そんなこと、
考えてみても。
アタシはうつむき歯をくいしばるだけで何も答えない。
上手に交わせるような言葉が浮かばない。
「…祖父が、ワシントンに従業人が5人くらいの小さな法人を作ってたんだ。
今は別の人間が取締役として経営しているが。
無理に頼んで近いうちに譲渡してもらう」
譲渡?
それってずっとアメリカに行くってこと?