史上最悪!?な常務と

「ご迷惑かけたと…思います。
常務が渡米しないですむように、
少しでも力になりたいと…」


「ちょっと待て、
オマエ…」


これ以上彼から発する言葉は聞きたくなかった。


「だからどうか…、
ここで如月産業の社長令嬢と結婚して…、
それからこの会社を…」


そこまで言って自分で発した言葉に傷ついていることに気づく。


結局彼はアタシに気遣いながら、
どうしていいのかわからなくなってたんだ。


だったら、
アタシがすることは。


「失礼します。
どうか如月さんと…」

やっぱりここで言葉が止まる。


今どき身をひくってのもないし、
そんな性分じゃないけどこれはもう仕方ない。


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