史上最悪!?な常務と
「おはようございますー」
重く、大きな木のドアを開ける。
「おはよう、
あれ?
今日、桃山さんちょっと元気ない?」
店のオーナーがちょっと心配そうな顔をして尋ねる。
彼女は、というか、
彼女は結婚していて夫婦でこのカフェをオープンさせたばかり。
アタシはその新規スタッフとして雇ってもらった。
ふたりでずっとお店を持つことが夢だったらしい。
年はアタシよりも少し上くらい。
明るめのブラウンのショートヘアが快活な彼女をより一層明るく見せる。
「元気ですよ。
…うーん、そうですね。
あえて言えば弟が結婚前提に付き合ってる彼女を今夜、
家に連れてくるんですよ。
…だからかな?」
「弟に先越されたってこと?」
「あはは、そんな感じです」
「それは大変だ!」
彼女は大袈裟に頭に手をやる。
そんな彼女の仕草にクスクスと笑う。