史上最悪!?な常務と
ゆっくりと押さえつけられている彼の右手を両手で下ろす。
「申し訳…ありませんでした。
以後、気をつけます…」
そう言いながらアタシはソファから立ち上がり頭を下げる。
「そう?」
彼は静かに答える。
そっと顔を挙げると、
―――笑顔…?
笑った…?
そのさっきのものとは真逆の…。
そんな彼の笑顔にどきっとする。
でも表情はすぐにいつもの無愛想なものになる。
あれ?
気のせい?
でも…、
あんな意地悪しなければいい男なのに。
あ、そういうのはナシの方向で!
ダメ、ダメ。
そしてゆっくりと常務から離れ、
距離を取る。
近くにいたら、
また何されるかわからないもの。