史上最悪!?な常務と

でもそれは。

ほんの一瞬の出来事だった。


自分でも何が起こったのかわからなかったくらい。


常務の顔を急に近づいてきたと思った瞬間、


……触れたっ!!



常務の唇とアタシの唇がっ!


触・れ・た・っ!!



「ちょっ…!」


そこまで言い返した所で彼はくるりとアタシに背を向けて、
再びバスルームへと。



呆然。


ちょっと、待て。
今、何した?

!!!!

し…信じられないっ!


「なっ…、なんてことするんですかっ!!」


常務の背中に向かって怒鳴りつける。


「朝食は?って聞かれたからもらったまで、だ」


はあ?

なにふざけたこと言ってんの、
この野郎っ!!



「は…初めてなのにっ!!
こんなの、セクハラですよっ!」


「ふーん、そう」


そっけなく答える。

なんなの、その態度!


アタシのファーストキスはこうしてあっけなく終わってしまった。








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