史上最悪!?な常務と
「どうぞ」
アタシは車の後部座席をあけて、
常務に乗るよう促す。
そして彼が乗ったことを確認し、
運転席のほうへと移動する。
運転は…。
うー…。
もう天に運を任すしかない!
バックミラーから常務の姿を確かめると。
さっきまでの彼はどこへやら。
丁寧に身支度を整え、
イケメン紳士がいっちょあがりって感じ。
仕事の仮面を被って鞄からファイルを取り出し、
ながめている。
とにかく。
卒検以来だけど。
大きな車だけど。
左ハンドルだけど。
初心者だけど。